【小沢氏秘書 第2回公判】(4)
《検察側は、西松建設元総務部長兼経営企画部長に対する証人尋問を終えた。続いて、弁護側の反対尋問が始まる》
《小沢一郎民主党幹事長の関係団体に献金してきた「新政治問題研究会」(新政研)と「未来産業研究会」(未来研)は「ダミー団体だった」と強調してきた検察側に対し、小沢氏の秘書、大久保隆規被告(48)の弁護側は「実体のある政治団体だ」と主張する構えだ》
[表で見る]小沢氏側がゼネコン側から年間約2億円を集金するシステムとは… 弁護人「証人は平成12年3月に本社総務部長になっていますね。その後、小沢事務所だけでなく、ほかの政治家への献金の窓口になっていましたか」
証人「部長として、いろいろやっていたので。小沢事務所だけでなく、いろいろやっていました」
弁護人「担当した政治家とは誰ですか」
検察官「異議があります! 主尋問の範囲外です」
《ここで検察側が異議を唱えた。弁護人が、検察側が行った尋問に対応した質問を行っていないと指摘したのだ。弁護側は「役職や担務を聞いたので、その一環の質問です」と反論。だが、これは登石郁朗裁判長が「質問を変えてください」と静かに言い渡し、検察側の異議が認められた》
弁護人「新政研への証人のかかわり方を確認したいと思います。平成9年に小沢事務所への窓口になった以前に、新政研にかかわったことはありましたか」
証人「そういう政治団体ができたときに、頼まれて会員になった記憶はあります」
弁護人「誰から頼まれたのですか」
証人「××(新政研の元代表者の実名)です」
弁護人「その時、××氏から、新政研がどのような団体かという説明はありましたか」
《ここで再び、検察側が「主尋問の範囲外だ」と異議を唱えた。登石裁判長は「ちょっと、ここで書記官が変わりますので」と述べ、書記官を交代させた。法廷にしばらく沈黙が続く。大久保被告がうつむいたまま、大きく息をついた。登石裁判長に促され、弁護側が、言い方を変えて再び質問を始めた》
弁護人「大久保さんと寄付の割り振りの話をしているときのことをお尋ねします。証人の言葉として『外部の政治団体に依頼しないと』と言ったのですね」
証人「新政研、未来研に依頼するとは、当然、言っていると思います」
弁護人「その時の認識として、新政研は『外部の政治団体』という認識でしたか」
《弁護側は、「外部の政治団体」という言葉を強調することで、実体のある団体だと印象づけようとしているようだ》
証人「(寄付の窓口を)引き継いだときもそう言われたし、当時はそう思っていました」
弁護人「誰から、いつごろ引き継いだのですか」
証人「平成13年6月に、私が取締役になり、経営企画部長を兼務した時点で、前任者から引き継ぎました」
弁護人「前任者から、具体的な説明はありましたか」
《ここで検察側はまた、「主尋問の範囲を外れている」と異議を唱えた。弁護人は今回は「じゃあ、今のは結構です」と、引き下がった》
弁護人「小沢事務所に年間1500万円の寄付をするという合意について、初めて認識したのはいつですか」
証人「平成9年ですが、上司の支店長から『1500万円』という金額を言われた。毎年(寄付する)とはいわれていません」
弁護人「(1500万円寄付することは)毎年ごとに決定していたのですか」
証人「私が上司から言われてます」
弁護人「つまり、国沢(幹雄元西松建設社長)氏が決めていたとですか」
証人「国沢か、(東北)支店長が国沢と話して決めたか、私はわかりません」
《証人は抑揚に乏しい声で、淡々と質問に答え続けている。大久保被告は背筋を伸ばし、じっとやりとりに聞き入っている》
弁護人「献金元となる(新政研や未来研などの)団体を増やしてほしい、という要望が、小沢事務所側からありましたか」
証人「それは、こっちサイドの件は、あまり言われた記憶はありません。私も先方サイドのことは言っていません」
弁護人「どの団体が献金するかは、もっぱらあなた側の事情で決めたのですね」
証人「金のないところには頼めないし…。依頼する政治団体の資金状況も聞いて決めていました」
弁護人「平成12年以降、西松建設名義の献金はありませんが、11年までは西松名義の献金はありましたか」
証人「あったと思いますが、正確には覚えていません」
弁護人「なぜ西松が外れたか知っていますか」
証人「指示だった気がするんですが」
弁護人「例えば、小沢事務所側から依頼がありましたか」
証人「先方さんから、こっちについて言われた記憶はあまりないんですよ」
《大久保被告がまた、大きく息をついた》
弁護人「西松の関係団体の献金の窓口は、証人だったということですね」
証人「窓口というか、(小沢事務所から)請求書をもらって、依頼したりは私がしていました」
《証人は「依頼」先については、明言しない》
弁護人「証人以外に、(大久保)被告とやりとりした人はいましたか」
証人「一次的な話は私がしていますが、平成18年以降は、後任の総務部長が同席したかもしれません」
弁護人「(下請け業者の献金団体である)松和会については」
証人「一切、私を経由していません」
弁護人「証人は、松和会のメンバー表の作成には関与したということですが、各社への請求書は、直接送るようにと、小沢事務所側に対して言ったりしましたか」
証人「メンバーは決めましょう、ただ、あとのやり取りはウチは関係ないから、直接やってもらおうと、上司と話しました。あとのやり取りは関与していません」
弁護人「メンバー企業の献金の不払いがあった場合、督促などをすることはありましたか」
証人「記憶にないが、あったとしても、関係ないと申し上げていたと思います」
《ここで、質問する弁護人が交代した》
=(5)へ続く
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